矢部さんは、2004年11月例会『月夜の道化師』の時も、事前においでいただいてお話しをしていただきました。今回の『アラビアン・ナイト』は初演・再演の制作を担当、文学座にとっても初めての試みの「ファミリー・シアター」ということもあって、稽古場はいつもの公演よりも熱気いっぱいだったなか、制作という形で新しい作品の誕生に立ち会われました。
今回昼夜にわたり、矢部さんは、熱っぽくこの作品のこと、文学座のこと、芝居のことについて語っていただきました。
なぜ文学座、ファミリーシアターが始まったか?
文学座は創立より「教養ある《大人》に呼びかける」芝居を標榜しながら作品づくりをしてきましたが、現代の芝居離れは幼年時代から質の高い舞台に触れていないことに一因があると考え、この状況を打開するためにファミリーシアターが始まりました。
《大人》のための芝居追求の延長線上でもあります。従って「大人が面白くない芝居は子どもだって面白くない」「親は子どもと共に舞台をみながら、子どもに新しい観方を教えられ、子どもはまた、親に教えられる」といったスタンスで芝居づくりを5年間、3作品を生み出してきました。
今回の『アラビアン・ナイト』は、生演奏というのが大きな特徴。芝居で演奏される楽器の数は約30。開演前や休憩に舞台前まで行って、見てください。歌もうたいますが、様々な効果音も楽器で出します。まさにライブ演奏。
話の内容は、「アラビアン・ナイト」から7つの話を構成。少しずつ人間不信になっている王様の心が、物語によって変わってくるところが描かれていきます。
白を主体とした魅力的な衣装は全部で約200。スピーディーに展開する舞台裏は大忙し。
稽古は毎日夜遅くまで行われ、稽古終了後はほぼ毎日、皆なにか語りたくて「飲み会」をやっていました。ほとんどの時間を共有した俳優達のチームワークによって、舞台はより盛り上がっています。
この芝居で伝えたいことは、「想像力を刺激すること」「普遍性を多様性をもって伝えていくこと」
大人も子どもも共に楽しめる舞台になっています。大人の方は勿論、子ども(小学校1年生以上から観劇可能です)まで、ぜひ新しい人を誘って一緒にみて下さい。

