9月1日に行われた、青年座公演『深川安楽亭』が大阪での最後の例会となった。
大阪労演は1949年に日本で最初の演劇鑑賞団体として誕生。演劇鑑賞運動の草分けとなり、各地の鑑賞団体結成のさきがけとなった。
1960年代半ばには、2万人の会員を擁していたが、70年代に入ってから会員が減少し、ここ数年は大きく会員を減らしていた。
http://www31.ocn.ne.jp/〜peipei/以下、私の個人的な感想である。
大阪労演の58年間活動してきたもの、そして大都市の演劇鑑賞団体としての悩みなど、名演としても学ぶところが多くある。
サークルをつくらなくても入会できるシステム、年間まとめて会費を納めると、会費が割引される制度のこと、そして例会の準備などは会員参加という形をとらなかったこと、など大都市であるがゆえの制度が逆に、裏目に出てしまったこともあったのではないか。(一般の興行スタイルだとさきにあげたことは「常識」なのだが)
今回の解散の原因の一つに「活動を次世代へ、また職場から地域へ広げていくことができなかった」ことがあるという。前者の問題は名演にとっても切実なことだ。「大阪労演の50年」という冊子を改めて読み直すと、いまの会をとりまく演劇状況のことや、創立以来の歴史から学ぶことがいっぱいある、日本全体の観劇人口の減少のなか、鑑賞会がどういう役割を担っていくのか、ますます考えていかなければならない今、大阪労演が59年の長きにわたる活動に終止符をうつことは残念きわまりない。
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