2006年10月13日

『きょうの雨 あしたの風』出演の内田夕夜さん作品を語る

 10月12日(木)、『きょうの雨 あしたの風』出演の内田夕夜さん作品を語る

 11月例会『きょうの雨 あしたの風』出演の内田夕夜さんをお招きして、作品について語っていただき、夜は交流会を行いました。
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 内田夕夜さんは、名演では様々な作品に出演。昨年1月の『十二夜』で、双子の兄セバスチャンを演じました。またその際にも事前に名演でお話しを聞いています。http://www.ne.jp/asahi/meien/na/r2005/0501/uchida.html
 それ以前にも 『フル・サークル』(1996年8月例会)、『村岡伊平治伝』(1996年10月例会)、『千鳥』(1999年2月例会)、またサマーセミナーでも交流を行ってきました(1998年乗鞍高原)。
 
さて、内田さんは初演以来、この作品の「若い男 幸太」役で出演しています。

 俳優座では藤沢周平原作の作品を3本上演しています(『三屋清左衛門残日録 夕映えの人』『喜多川歌麿女絵草紙』)
 
 『きょうの雨 あしたの風』は、その1本目の作品で、最初はどういう風に作っていくのか、観客に受け入れられるか不安だったそうです。『きょうの雨 あしたの風』というタイトルの原作はなく、長屋ものの3つの短編を元にして吉永仁郎さんが書いたものです。他の2つの作品は長編ものです。
 吉永さんは、俳優座では『季節はずれの長屋の花見』『さりとはつらいね』を書き下ろしています。
 さて、舞台は長屋内の4軒と井戸端。この装置は細かいところまで当時のものをほぼ再現していて、寸法もそのままに作っています。実際に中にはいると、こんな狭いところで暮らしていたことにびっくり。 枕屏風一枚でプライベートな空間なんかが境として存在していることがよくわかります。
 装置も細かいところに工夫があって、例えば風邪よけの「久松留守」という御札なんかが貼ってあります。(江戸時代ではインフルエンザのことをお染風と呼んでいたこともあります。これは歌舞伎の『お染久松』からとったもので、お染は久松に惚れた内容なので、久松が留守にしているから、お染は来ない、つまりは風邪が入ってこない、そんな意味だそうです)
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 各地では、「あたたかい」とか「人情味溢れる」という反応が多いのだそうです。この作品の物語はどちらかというと人情紙の如しで、悲劇的でいわば災いのようで、決してめでたい話しではないのだけれど、登場人物の体温、生活しているエネルギーが温かいのだろうと感じたそうです。
 藤沢周平さんの作品は、どこか突き放していて現実的なところがあります。しかし、それ故に人間の持っている温かさやエネルギーが感じられるのかとも思います。
 この舞台のお金の価値ですが、ここの設定では、一両=80000円
一文=10円〜15円 安い定食屋では、一食分の定食が24文 長屋の家賃=500文 一両=約5000文 そのあたりも頭に入れておいてください。

 内田さんは原作の3本をあえて読んでいません。夕夜さんの役作りは原作のイメージを持ち込まず、台本からイメージして役作りをしているそうです。原作と台本は違うもので、原作にはあって台本にはないこともありますが、それによってその人物像が変わってくることがあるからだそうです。
 (もちろん事前に原作を読んで役作りをしている俳優さんもいます)
 時代劇は着物での所作が難しく、稽古中は自宅でも浴衣を着て着物に慣れるようにしているそうです。(『三屋清左衛門残日録 夕映えの人』の時は武家物だったので、細かい所作が大変だったそうです)

 江戸時代の庶民の暮らしを描いたこの作品、例会が楽しみになりました。友達やお知り合いを誘って会場一杯で迎えられたら、と思います。
 
 夜の部が終わった後は、交流会。内田さんには2次会までおつきあいいただきました。芝居の話や江戸時代の話、そして鑑賞会と劇団のことなど、話は尽きませんでした。

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posted by 管理人 at 00:00| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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